吉野勝秀氏が京都で暮らしてみてわかったこと

京都ってどんな街?

住みたい都市ランキングでも比較的上位にランキングされるのが京都です。
しかし、住みたい都市ランキングというのはあくまでも住んだことがない人が選ぶランキングなので、実際に住んでみた人の満足度とは異なる部分もあるのではないでしょうか。

そこで今回は実際に京都市内で暮らしてみて感じたことを紹介していきます。

1.寒暖差が激しい

まず、1つ目は寒暖の差がとても激しいことです。
春の桜や秋の紅葉などのシーズンには晴れの日も多く、気候も安定しているので多くの観光客でにぎわいます。

しかし、その穏やかな気候とは対照的に夏と冬はかなり厳しい気候となります。
京都市内は盆地なので夏はとにかく暑く、冬は雪は少ないものの厳しい冷え込みとなる日が多いです。

特に厳しいと感じたのが夏で、毎日のように35℃を超えることもめずらしくないだけでなく、夜間も25℃を下回らないも多く、毎日のように熱帯夜が続くこともあります。

夏場はとにかく風が吹かないので、暑い空気が肌にまとわりつくような感じがあります。

2.大きな災害が少ない

次に大きな災害が少なさについてです。
市内には桂川や鴨川といった大きな河川が流れていて、年間を通じて台風が直撃することもありますがそれでも大きな災害に遭遇した記憶はほとんどありません。

平安時代の遷都の際にはこの災害の少なさも理由のひとつにされたという説もあるように、地理的な理由など災害に強い条件があるのでしょう。

3.程よく都会

次に景観からは程よい都会であることがわかります。
四条河原町などの繁華街はたくさんの人で賑わっていますが、それでも高層ビルがたくさん立ち並んでいるわけではありませんし、人が多すぎてどこも混雑しているというわけでもありません。

また、繁華街を少し離れると住宅街だったり、緑が多かったりと、程よい都会ということができます。
市内には阪急やJRなど様々な路線がありますが、どの路線も乗客が押し合いになるような満員電車になるようなことは少なく通勤や通学もそれほど苦になりません。

4.食文化はレベルが高い

食文化に関してはイメージの通りのレべルが高いです。
古くから都として栄えてきたことなどから、食文化のレベルが高いのも魅力です。

特に大阪や神戸といった他の関西の都市に比べても日本料理店のレベルは高く、日本を代表するようなお店が数多く軒を連ねています。
また、有名な日本料理店は予約を取るのが難しいというイメージもあるかもしれませんが、実際に住んでいれば平日に伺うこともできるため、それほど予約が困難と感じることはありません。

5.交通の利便性は問題なし

交通の利便性については、市町村合併によって市内の西部と北部はかなり面積が広くなりましたが、旧市内は東西南北どちらもそれほど距離がなく、特に中心地であれば自転車があれば移動手段には十分です。

また、電車やバスの路線も充実しているので、普通に生活する分には車がなくても不便に感じることは少ないです。
しかも、五条通や四条烏丸近辺は車がかなり混雑するので、自転車の方が早いということも珍しくありません。

6.京都の人間性について

次は性格についてです。
もちろん府内には宇治市、福知山市、舞鶴市など様々な都市がありますが市内に住んでいる人にとっては市内こそが京都であり、それ以外の都市については認めていない部分もあります。

また、同じ市内であっても東山区、中京区、下京区など古くから栄えてきた地域のみしか認めないという人も珍しくありません。
他府県に対してですが、人口や街の規模を考えても関西で最も大きな都市は大阪であることは間違いないと言ってもいいでしょう。

なお、兵庫には芦屋という関西屈指の高級住宅街があり、神戸は独自の文化を持ったオシャレな都市です。
しかし、こうした周囲の都市を認めないプライドというようなものをひしひしと感じることがあります。

しかも、自分たちが優れていると思っているので、これらの都市を上から見ているような節も感じられます。
その上、本音を出さないという特有の気質があるので、遠回しな表現で相手のことをけなす人もいます。

この他にも大阪、兵庫に比べると規模の小さな滋賀、奈良、和歌山などについてはもはや眼中にないと思っている人も珍しくありません。
ちなみに琵琶湖といえば関西圏の水瓶で、もちろん京都も琵琶湖から水を供給してもらっている立場です。

しかし、滋賀はたびたび見下されるような発言をされるので、冗談で「それなら水を止める」と言ったりする滋賀県民もいるのですが、これに対して市内の人たちは「水をもらってあげている」という風に切り返したりもします。

このように何かにつけてプライドが高く、どこか上から人を見ているような部分は否定できないかもしれません。
また、本音を相手にぶつけることをよく思っていないので、とにかく遠回しな言い方が多いです。

例えば美味しいものを食べた時にも、「美味しい」とは言わずに「嫌いじゃない」「これも悪くない」といった言い方をよく耳にします。
他府県の人にとっては理解しがたいかもしれませんが、当の本人にとっては十分な褒め言葉なのです。